カイゴのシゴト

介護士の視点は笑顔の裏に置く必要がある。

投稿日:2016年12月30日 更新日:

見る人

介護士の視点は、利用者が見せる笑顔の奥にある感情へ置くことが必要です。

利用者が見せるその笑顔は本当に心からの笑顔ですか?

 

介護士の視点は笑顔の裏に置く。

介護士として働いている私は、時々福祉施設を別のものに例えて考えることがあります。

デイサービスのような通所施設を「テーマパーク」、老人ホームのような入所施設を「家」として。ちなみに私が長年働いていたのは障害者の入所施設。

「テーマパーク」が笑顔で過ごせる時間を提供してくれる場所だとしたら、「家」というのは喜怒哀楽が存在する場所。

なのに家の中でいつも笑顔でいることをもとめられたらどうでしょう?

介護士として仕事するのであれば、利用者が笑顔だからという理由だけで満足せずに、その裏にある感情を見る視点を持ちましょう。

テーマパークへ行けば「こんな楽しい時間がずっと続けばいいのに」と思いますよね。でも実際はそう思いながら当たり前のように家へと帰ります。そして家ではそれなりにホッとした時間を過ごすことができますよね。刺激はないけれど安心できる場所なのが本来の家の役割なんです。過去には泣き顔を人には見せまいとぐっと堪えて家に帰った日もあったんじゃないでしょうか。

デイサービスのように日帰りの福祉施設で「毎日がテーマパーク」をモットーにして、笑顔になれる時間を提供できるのであれば良いけれど、入所施設の介護士として仕事をしていた私は、「常に笑顔で過ごすことが本当に人間らしい生き方なのか?」を考えていました。

家での生活を支える介護士の仕事は、人生をサポートすること。人生には喜びだけじゃなくって他の感情も感じながら生きることが付き物です。すべての感情が存在する生活ができるようにサポートしなければなりません。喜怒哀楽のどれかひとつでも欠けているならそれは人間らしく生きているとは言えません。

わざと怒らせたり、泣かせたりするのも、時と場合によってアリだと私は思っています。マイナスの感情には気づかないふりして明るく振る舞うのは、うわべの雰囲気的にはいいけれど、どうしても胡散臭さが醸し出されてしまいます。負の感情を抱えるのは人間として当然のことです。負の感情をしまいこませず表に出させることからはじめたい。

人の喜んでいる姿しか評価しない人がたまにいますがそれは間違いです。マイナスの感情を表に出すと、「何怒ってるの?」「何泣いているの?」と、その姿を見せることが間違っているかのような言葉を掛ける人の方が本当は間違っています。

笑っていれば感情はあとからついてくるという考え方はよく聞きますよね。けれど笑いたくない時に笑顔を要求されるのは結構苦痛です。逃げ場を与えずに笑顔を押しつけられたら笑うしかありません

「この場は笑わないといけない」と思ったら、空気を読める人ほど相手をおもって嘘でも笑います。

面白くなければ「面白くない・・・」と言ってくれる人の方が本当は心を開いてくれている相手です。

「笑ってくれている人が幸せそうに見える」のは間違いありませんが、笑顔という表情だけで実際の心の中を測ることはできません。

 

周りを自然と笑顔にできる人になろう。

私のことを少しだけ。私は同性愛者です。12歳で人を好きになったことで気付き、その時は悲しみや苦しみでいっぱいでした。だけど誰にも言うことができなかったので、自分の部屋を出ればいつも笑って過ごし、何ら他の子と変わりのない生活を送っていました。

そして夜中になると、布団の中で一人泣いていました。親を恨み、神に願いました。

けれど泣いても泣いても、どうにもなりませんでした。人のせいにもたくさんしましたが、だんだんといくら誰を責めても何も変わらないことに気付きはじめました。すると「変われないのは自分に勇気がないからだ」と次第に自分自身を責めるようになります。それでも現実は変えられなかった。「死にたくはないけれど、誰にも迷惑を掛けることなく消えることができたらいいのに。」「もし自分の体に電源をオフにするスイッチがあったら自分でそのスイッチを消す勇気があるだろうか。」そんなことを考える日々。

だれかが「大丈夫だよ。」って言ってくれればすぐに解決することは知っていたけれど、私は誰にも助けを求めることはできませんでした。

結局だれにも「大丈夫。」だなんて言ってもらえないまま年をとってしまった。

だから無理して笑っている人をみるたびにそんな事を考えてしまうのです。

そして今の私だから言えることは、

「自分の心が喜ぶことを自分の価値観で探しながら生きて幸せになりましょう。」

「他人から幸せそうに見えているならそれでもいいかもしれないけど、できるなら自分が幸せだと思う生き方をしましょう。」

「そしていつかそばにいる人を自然と笑顔にさせられるような人になりましょう。」

 

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